販売代理店管理は、適正予算を立てるために必要不可欠ですが、適切な管理を行うには多くのハードルが存在します。

  • 代理店へ共有したExcelフォーマットを手作業で集計しており業務コストが高い…
  • 代理店の社数が増加すると適切な連携が取れず動向の把握が難しい…
  •  情報共有や資料・ナレッジの共有に手間がかかる…

このような問題について、思い当たる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では上記のような悩みを解決するためにツールの導入を検討されている方や、導入してみたものの、上手く活用出来ていない方に向け、CRMで代理店管理を行うメリットや活用方法について解説します。

代理店管理の重要性

代理店ビジネスのデメリットとして各企業が独自の営業方法で動いている為、売上に関する情報を正しく把握することが難しい点が挙げられます。
その為、代理店管理をすることで社外に委託した取引内容や進捗状況を正しく把握し適正予算を立てたり、各代理店に的確なフォローを行うことが非常に重要です。

代理店管理にCRMを活用するメリット

代理店の動向を把握するためには、代理店全体の営業データを可視化する必要があります。
データから売上・営業活動状況を把握することで、課題を発見し改善することができるのです。

情報の一元化

各代理店からのレポートや報告書を受け取っていても、個々で営業活動している代理店の動向を把握するのは非常に困難です。報告フォーマットが統一されていない場合は、一から情報を整理しなおすことになるので余計に手間がかかってしまいます。
その点CRMではそのバラバラの報告書をデータ化しまとめて管理することができます。

CRMに各代理店のデータを一元化することにより、他部署間で簡単に情報を共有することができ、連絡漏れ伝達ミスなどの抜け漏れ防止にも役立ちます。

代理店にもユーザーアカウントを付与することで、直接CRMに顧客情報や活動内容を入力することが出来るため、フォーマットの修正や情報を整理し直す必要もありません。

CRMではデータがリアルタイムで反映されるため、常に最新の状況把握が可能です。更新履歴も残るため、誰がどんな変更をしたのかを確認出来るのも正確な情報管理には最適です。

しかし、すべてのデータが代理店間でも閲覧出来てしまうのは問題です。
高機能なCRMであれば権限設定によって閲覧できるデータを管理することができます。見せたい情報を見せたい人にだけ公開することが可能というわけです。
または、カスタマーポータル機能を利用するのもよいでしょう。
カスタマーポータルとは、顧客専用のWEBサイトを自動生成し、 CRMと連携して情報を共有できるツールです。この機能を使えば、面倒な権限設定は不要で、簡単に顧客との接点をデジタル化することができます。
CRMを導入する際は、権限設定による閲覧制限が出来るかどうかや、カスタマーポータルの機能があるかを重要なポイントとし、自由度の高いものを選ぶとよいでしょう。

成果を出す仕組みづくり

一元化した代理店の情報をどのように活用していけばいいのでしょうか。
まず、代理店のデータを横並びに管理することで、好調な代理店と不調な代理店の確認が可能になります。
売上が不調な代理店を放置してしまうと双方にとって大きな機会損失となってしまいますので、フォローを行うことでそれを防ぐことができます。売上が好調な代理店については、販売ナレッジを共有することで代理店全体の知見を広げることができます。

また、売上管理だけではなく、プロセス管理も重要です。
プロセス管理はステータスの項目を設けることで、簡単に把握することができます。案件がどのくらい仕掛かっているのか?どこまで進んでいてどこで躓いているのか?等の情報を共有し、進捗状況に応じて適宜ヒアリングを行うなど代理店との信頼関係を築いた上で適切なフォローを行いましょう。
CRMツールはただ導入すればいいというものではありません。データを分析することで好調・不調の要因を正確に把握し、成果の出し続けられる仕組みを構築することが重要です。

事例紹介

A社は代理店の営業情報がExcelや簡易データベースなど各々のフォーマットで管理されていたため情報が散在しており、管理に苦戦していました。
これらのデータをCRMに集約することにより、情報の一元化に成功しています。

各代理店にCRMのユーザーアカウントを付与し、以下の情報をCRMに入力してもらう運用に変更しました。

見込み客、顧客情報の登録

CRMに直接情報を登録することにより、正確な顧客情報を管理することができます。

案件の登録と進捗管理

案件ごとに担当を振分け、誰がどの案件を担当しているのかを管理できます。
案件に未着手・対応中・完了等のステータスを付けておくことで、簡単に進捗を把握することが出来ます。
最終更新履歴や、案件に対する活動状況からも詳細な進捗状況が確認できます。

営業活動内容

活動内容を案件データに関連付けることにより、案件に対して誰がいつどのような営業活動を行ったかを管理することができます。

CRMの導入により、社内だけでなく代理店も含めた統合的な管理が実現しました。

CRM選定ポイント

ライセンス費用

代理店にCRMのユーザーアカウントを付与する場合、ライセンス費用がかかるCRMの場合膨大なコストが発生してしまいます。そのため、ライセンス費用のかからないCRMを選定するのがよいでしょう。

権限設定

2-1.でお話した通り、権限設定による閲覧制限が出来るCRMを選択しましょう。
権限設定をするにはオプション費用がかかる場合もありますので、確認が必要です。

終わりに

CRMでは、代理店のデータベース化、顧客情報・活動内容・案件進捗の一元管理、ドキュメントの共有など専門のツールでなくても代理店管理に十分な機能が揃っています。
ただ、CRMはデータを入れるだけで成果が出るツールではありません。データを元に分析を行い、成果の出る仕組みづくりをしていくことが重要なのです。