案件の進捗管理や商談内容の報告など、案件・商談管理に係るタスクは管理側としても営業の担当者としても、手間と労力のかかる悩み多き業務です。

どうにか「案件・商談管理」効率化するためにExcelやツールを導入して取り組んだものの

  • ツールが定着していない
  • Excelの管理に限界を感じている

というケースも少なくありません。


そこで本記事ではCRM・SFAツールで正しく「案件・商談管理」を行う方法について考えてみます。

案件·商談管理を正しく行うには

案件・商談管理が失敗に終わったケースの多くは

  • 案件・商談を管理すること自体が目的になっている
  • 「プロセス」ではなく「結果」を管理しようとしている

という傾向があります。

つまり、案件・商談管理を成功させるには

  • 案件・商談管理をする目的を明確にする
  • 「プロセス」を管理する

ことが重要であり、案件・商談のプロセスを効率的に実現できるようなCRMやSFAを選定する必要があります。

案件・商談管理の最大の目的は「営業目標の達成」

案件・商談管理の最大の目的は「営業目標の達成」です。

当たり前といえばそうなのですが、この観点を忘れてしまうと案件・商談管理自体に意識が偏り、「営業目標の達成」から外れたフローになりかねません。

案件・商談管理の目的が「営業目標の達成」としたとき、管理にはどういった要素が必要か整理してみます。

最適なマネジメントの実現

  • プロセスを管理し的確なタイミングで最適なアクションができる

属人化からの脱却

  • ナレッジを効率よく共有し、チーム全体のスキルを底上げする
  • 担当者が不在の場合もスムーズにフォローすることができる

業務の効率化

  • 煩雑な事務作業を自動化して効率化する

上記以外の要素が必要なケースもあると思いますが、考え方として「営業目標の達成」のためにどのような要素が必要か、どの課題を解決すべきかという点は共通です。

なぜ結果管理ではなくプロセス管理なのか?


案件管理をする上で重要なことは結果管理ではなくプロセスを見える化しマネジメントすることです。
現在の案件の数字を積み上げて、結果のみを管理している状態では「正しい案件・商談管理」ができているとは言えません。

CRM/ SFAツールで「案件・商談」のプロセスをマネジメントする

結果だけを管理している企業はこのような問題が起きていないでしょうか。

注力すべきポイントがわからない

最終的な結果だけを管理していると、注力すべきポイントや改善すべきポイントが把握しにくく、都度分析に時間がかかってしまいます。

当初からプロセスを管理していれば、プロセスを遡って分析をする必要がありません。

担当者に有効なアドバイスができない

目標に対して数字が足りない、より成績を伸ばしたいことがあっても、案件・商談のプロセスを把握していないと適切なアドバイスができません。

ナレッジが共有されず新人が育たない

営業成績が優秀な社員のナレッジをチーム全体に共有したい場合、社内セミナーや勉強会という場を設けるという方法もありますが、時間も労力もかかってしまいます。

常にチーム全体でプロセスを共有しておけば、手間や時間を割く必要もありません。

結果だけを管理していると、プロセスの管理は担当者個人が管理することになります。

属人化しやすい

どうしても属人化しやすい状態になるので、担当者の不在時にトラブルなどが起きてもスムーズな対応ができないなど、取引先に悪い印象を与えてしまうかもしれません。

プロセス管理をマネジメントするために必要な4要素

案件・商談を「プロセス」で管理する場合、どのような要素を管理すべきでしょうか。

代表的な要素を4つ紹介します。

ターゲット選定

案件・商談管理におけるターゲット選定

すべての顧客に対して、平等にアプローチをする…いわゆるローラー作戦は手間も時間もかかるため、十分なリソースがないと難しく、非効率な手法です。

そのため資本金や従業員数、企業規模などに指標をもうけ、優先すべきターゲットをしぼっていくことで効率的にアプローチを進めることができます。

案件・商談の進行度

案件・商談が現在どのフェーズなのか進行度を管理しましょう。

例えば…

フェーズ1:情報収集
フェーズ2:検討
フェーズ3:具体的検討
フェーズ4:最終検討
フェーズ5:成約

このように進行度を可視化することで、チーム内の情報共有やマネジメントをスムーズに行うことが可能です。

受注確度

案件・商談管理における受注確度

案件・商談を進める過程で、商談の規模が変動することは多々あります。

最初こそ大口のはずだった案件が小規模化したり、逆に思いもよらず大口の案件につながったり…ということもあるはずです。

そのため、優先すべき対象を受注確度で再定義する必要があります。

BANT情報

「BANT」は法人営業などでよく使用されるヒアリングのフレームワークです。

成約を目指すために顧客側の4つの条件を最低限ヒアリングしておこうというもので、逆に一つでも条件が聞き出せていないと、その分成約が遠のくという考え方です。

  • Budget(予算)
  • Authority(決裁者)
  • Needs(ニーズ)
  • Timeframe(導入時期)

このBANT情報の項目は自社の営業スタイルやビジネスモデルによって異なります。

(例えば、「BANTの発展系「GPCTBA/C&I」で管理したい…」など)

その場合は自社のスタイルに合ったフレームワークの要素をとりいれ、可視化しましょう。

ターゲット選定、案件・商談の進行度、受注確度、BANT情報を可視化・標準化することで、担当者は4要素を押さえるために必要な判断と行動がスムーズになり、マネジメントする側は最適なタイミングで担当者にアドバイスやフォローを行うことができます。

案件・商談管理に適したツールとは

案件・商談管理を行うのであれば、効率的に管理できるツールが必要です。

コストもかからず手頃なため「Excel」を起用しているケースもありますが

時系列のわかりやすさや情報管理・共有のしやすさの面をふまえるとExcelでの管理

は効率的とはいえません。

そのため、案件・商談管理を行うのであればSFAツールやCRMツールがおすすめです。

SFAの特徴

SFAツールは営業支援ツールとも呼ばれ、主に案件ベースで情報を管理します。

CRMとSFAは同じようなカテゴリとしてあつかわれがちですが区別するポイントは

  • 管理したい対象が「外(顧客)」ならCRM
  • 管理したい対象が「内(営業)」ならSFA

という点です。

また、SFAの領域はかなり限定的な傾向にあり、近年ではSFAが得意とする領域もとりいれたCRMがとても増えています。

そのため、SFA/CRMと表記されているツールも多くみられます。

CRMの特徴

CRMツールは顧客情報の収集や分析、活用に焦点を当て、顧客と良好な関係構築を目的としています。

顧客の基本情報やコミュニケーション、問い合わせ履歴など顧客情報を一元管理できるのがCRMの特徴です。

CRM/SFA選定時のポイント

まず大前提として「結果」ではなく「プロセス」を管理できるツールかチェックしましょう。

とくにSFAは結果管理に特化しているものも多いです。

またSFAもCRMも提供している企業により得意とする領域や機能が異なるため、自社の営業スタイルや目的にあったツールを選定することが重要です。

そのうえで、以下のポイントに注目しましょう。

  • コストがみあっているか
  • 無料トライアルができるか
  • サポートサービスが充実しているか
  • 設定やカスタマイズの柔軟性があるか

まとめ:CRM/SFAツールを活用して適切な案件・商談管理を実現しよう

営業活動の最終的な目的は「営業目標の達成」です。

そのためには…

  • 最適なマネジメントの実現
  • 属人化からの脱却
  • 業務の効率化

が鍵になってきます。

また、これらを実現させるには「結果」ではなく「プロセス」を管理する必要があります。

そして案件・商談のプロセスを管理する場合、以下の4要素をおさえることが重要です。

  • ターゲット選定
  • 案件・商談の進行度
  • 受注確度
  • BANT情報

また、案件・商談のプロセスを効率よく管理できるツール選定も非常に重要な要素です。

コスト面だけを理由にExcelを採用してしまうと、「時系列がわかりにくい」「情報管理・共有がしにくい」「属人化しやすい」などデメリットも多くあるため、SFAやCRMで効率よく管理するのがおすすめです。

SFAもCRMも提供している企業により得意とする領域や機能が異なります。

自社の営業スタイルや目的にあっているかに注目してツールを比較検討しましょう。