シンキングリード株式会社(以下、シンキングリードと称する)が大手食品メーカー、日本食研ホールディングス株式会社(以下、日本食研と称する)とF-RevoCRMをベースにした営業支援アプリ「ebiss」を共同開発しました。
業務改革はなぜ必要だったのか
創業52年来、順調に業績を伸ばし続けている日本食研が、なぜシンキングリードとタッグを組み、「ebiss」を開発することになったのでしょうか。
「数から質」の営業へ、顧客の商売繁盛を考えたビジネスモデル
順調に推移している売上を分析したところ、一度導入した商品が継続注文されていないという事実が浮かび上がり、注文が「入っては切れ」を繰り返す「空回り」している状態でした。
この現象の気づきをきっかけに、顧客がリピートしたくなるようなニーズにあった提案を目指し「数から質重視」の業務改革を実施することになりました。
「数から質重視」の改革をするにあたり、当時使用していた「数量管理」に特化したSFAにも見直しの必要性が浮上したのです。
業務改革に最適な開発パートナーの条件とは?
新しいツールを開発するにあたり、日本食研が開発パートナーに求めた条件は以下の3つがあげられます
- サービス自体の拡張性
- レスポンスの速さ
- 業務改革によりそった提案
中でも、「業務改革によりそった提案」が最終的にシンキングリードを開発パートナーとして選んだ決め手になりました。
業務改革によりそった提案
シンキングリードの提案は、単なるアプリ開発ではなく“日本食研の営業スタイルを変えていくための提案”です。
日本食研の求める「あるべき姿」を目指すには、「数=結果」の管理ではなく「行動・商談」のプロセスを可視化し見直す必要があります。そのため、新しいツールで利便性をあげつつ、同時にPDCAを回すことで営業効率を最大化できるシステムを提案しました。
PDCAサイクルにそったシステム
PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(対策・改善)の仮説と検証のプロセスを循環させることで、マネジメントの品質を高める改善方法です。
PDCAサイクルはさまざまなシーンにおいて重要視され、幅広く導入もされている改善方法です。しかし、効率よくスピーディーにPDCAを回し続けることは難しいともいわれています。
そこでシステムにPDCAサイクルを落とし込み、フローに沿って使用するだけでPDCAを回せるというシステムの提案をしました。
シンキングリードの取り組み
シンキングリードは業務改善支援から内製化支援にいたるまで、一貫したサービス提供を強みとしています。
営業支援アプリ「ebiss」の共同開発では、とくに「業務改善支援」における業務課題をいかにシステム要件に落とし込むかという点が重要なポイントでした。
業務課題をシステム要件に落とし込む
システム導入は以下の図のように「業務改善支援」のフェーズと「システム開発」のフェーズにわかれています。
工程自体はシンプルですが、一般的なシステム導入だとこれらの工程は分業されていることも多く、
- コストがかかる
- コミュニケーションがとりづらい
- 仕様を固めるのに時間と手間がかかる
- 考えていたシステムとは違う仕上がりになった
などの問題が多々おこります。
対して、シンキングリードはこれらの工程を分業することなく行っているため、対応スピード、コスト面において顧客ファーストに進めることが可能です。
カスタマプロセスマップで課題整理
システム開発・導入で最も注意すべき点は「目的」を見失うことです。
システムはあくまで「あるべき姿の実現=目的」を達成するためのツールに過ぎません。しかし、システム開発・導入までの工程で「目的=システム開発・導入」にすり替わってしまい、本来の「目的」達成とはかけ離れたシステムができあがるケースが非常に多いです。 そのため、課題整理は自社の“あるべき姿”を念頭に置いて進める必要があります。
そこでカスタマプロセスマップを使用し、業務課題の整理を行いました。
カスタマプロセスマップとは顧客の心理と購買活動に焦点をあて、顧客側のプロセスと自社の業務プロセスにそって各項目を埋めていくことで、現状の「業務面の課題・システム面の課題」や改善方法を整理する手法です。
プロセスごとに「自社がとるべきアクション」項目があるため、全体の目的をゴールとしたときに段階を追って課題整理が行え、目的から大幅にそれることを防ぐことができます。
こうした業務課題の深堀、整理も実際にシステム開発を行うシンキングリードが担うことで、一般的な分業制のシステム開発に比べ、より業務にフィットしたシステム開発を可能にします。
F-RevoCRMをベースとしたシステム開発
営業支援アプリebissはシンキングリードの主力製品であるF-RevoCRMをベースに開発しています。
統合型顧客管理システムであるF-RevoCRM は、社内の顧客対応プロセスを一元管理できるため、業種業界問わず利用可能な顧客管理ツールであり、全社利用を前提にしているシステムです。
そのためF-RevoCRMは柔軟に設計できるような構成がされており、さまざまな業界・業種でカスタマイズ経験と、SFAの知見が豊富なため、0からシステム開発するよりもF-RevoCRMをベースに進めることがベストと判断しました。
導入事例から学ぶ、業務改革を進めるポイント
本記事のようにITツールを利用して業務改革を進めたい場合、どのようにツールを選定し、導入や運用を進めていけばいいのでしょうか。
日本食研の導入事例をもとに3つポイントを紹介します。
- 目的を明確にする
まずは目的を明確にしましょう。
目的が明確になっていないと、導入までの工程でただ現状困っていることをシステムで改善できるかできないかという方向になりがちです。
ITツールは目的を実現させるための道具にすぎません。 - 業務課題の整理と要件定義をすり合わせる
業務改革の目的を明確にした後は、現状の業務課題を整理しましょう。
課題整理の方法はカスタマプロセスマップがおすすめです。
目的を全体のゴールとしたとき、プロセスごとに理想とすべきアクションや課題を整理できるので、導入後の「思っていたのと違う」といったギャップを生みにくくなります。 - サポートの手厚いパートナーを選定する
業務改革のゴールはシステム開発やシステム導入ではなく、ツールを活用・運用し目的を達成することにあります。
しかし、業務改革のためにシステム開発・導入したものの、社内で定着しないまま風化してしまうケースも非常に多いです。
そのため導入後もしっかりサポートしてくれるパートナーを選定することがとても重要です。
シンキングリードは日本食研の導入事例のようなシステム開発や、F-RevoCRMのカスタマイズ開発だけでなく、パッケージ利用が可能なF-Revo Cloudでも、導入後の課題解決を二人三脚でサポートしています。
業務改革のためにシステム開発・システム導入をしたい、目的が明確ではないが課題改善のためにシステム導入を検討したいなど、漠然とした内容でも全力でサポートさせていただきます。 ぜひ、お気軽にお問合せください。